「第13回★「今でも覚えている印象深い『絵本』『物語』」 」について

第13回★「今でも覚えている印象深い『絵本』『物語』」 」について
「今でも覚えている印象深い『絵本』『物語』」と言えば、中学校の国語の教科書に載っていた中島敦の「山月記」
優秀な成績で官吏登用試験に合格し、立身出世を夢見ていた男が虎になってしまう、というお話ね。はじめに読んだときは、その世界に奇異な感じは覚えたけれど、左程の興味はなかったのね。
ところが、この物語の最後の授業のときに先生が朗読のカセットテープを持ってきてくださったの。Mimiyは視覚障害者だから朗読を聴く機会は多いんだけど、朗読って、読んでくださる人の声によって作品の感じがまったく違ってくるのね。内容は明るいのになんとなく暗い感じがしたり、、リアルすぎてちょっと怖くなったり……。
で、その時に聴いた「山月記」の朗読が、澄んだ男性の声で、作品にとてもよく合っていて……光景が浮かんでくるのね。
岩を飛び越えて走る虎の姿、その様子を遠くから見ている男、更に、手や口の周りを血だらけ毛だらけにして一気に獲物を食らい、ふと人間の意識が戻ったときに己の姿に涙する虎を冷たく照らす月。
よく、今度生まれ変わったら何になりたい?なんて話するじゃない。この朗読を聴いて以来、何でもいいけど肉食動物になるのだけはいやだ、と思っちゃうMimiy。

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